商社マンの英語力 ~商社では英語ができないと仕事にならないか?~

商社マン

どうもお疲れ様です。
グローバルで仕事を手掛ける商社では、英語との関りは切っても切れませんが、『商社では実際どの程度の英語力が必要なのか?』『英語ができないと仕事にならないか?』という疑問についてお答えしていきたいと思います。

いきなりになりますが、実際のところ、働いている人が”みんな英語ペラペラなんていうことはありません”。”英語ペラペラ”って表現自体があいまいですので、もう少し補足すると、こん感じです。

  • ”ネイティブレベル”で英語のキャッチボールができる人はそこまで多くない
  • リスニング力は高い
  • スピーキング力は、自分が伝えたいことは伝えられるレベル。但し、発音はジャパニーズイングリッシュの人が多い。
  • TOEICは900点超が普通

中身をもう少し見ていきましょう。

リスニング

ビジネスの現場では、やはり会議が一番英語力を必要とされます

会議中に必要となる英語の能力は、圧倒的にリスニング力だと思いますが、この点は抑えている人が多いとうことですね。

『なぜ会議ではリスニング力なのか?スピーキング力ではないのか?』という疑問については、これは英語コーチングサービスを提供する”株式会社プログリット”がうまく言語化して解説しており、強く共感しました。

少し紹介させていただくと、『例えば5人が参加する会議では、5人が均等にしゃべったとして自分の発言(スピーキング)割合は20%、残りの80%は他社の発言を聞いている(リスニング)の時間』というものです。

たしかにそうですよね、会議での議論内容に置いていかれずについていくことに使う労力が大きい、というのは特に若手時代は顕著だと思いますし、この説明は私の実感ともよくマッチしています。

なお、株式会社プログリットは元マッキンゼーの岡田氏がマッキンゼー時代に英語で苦労した経験を基に立ち上げた会社です。

まだお若い方なのに、英語学習というある意味レッドオーシャンとも言える分野で成果を出しているのはとてもすごいですね。

プログリットについては岡田氏が出版している書籍も読んだことがあるのですが、英語学習を正面から捉え、小手先の技術に頼らず克服していくべきという姿勢が打ち出されており、なかなか共感しました。

今回の記事では少し本題からずれてしまうので、この辺の話は別途、英語学習編かなにかで書こうかと思います。

スピーキング

続いてスピーキングですが、商社のなかでは相手に伝える・伝わることを重視しており、カッコよく発音するみたいな点は二の次となっている印象です。

これは、きわめて現実的な話で、カッコよく発音したところで論理が崩壊していて相手に意味が伝わらなかったらまるで意味がないですし、それよりも下手でもよいからきちんとこちらの意見を伝えることを重視します。だってビジネスだもの。ということですね。

ハッキリとどうどうと行きましょう。ちょっとしたコツは、『ゆっくり話す』ことです。

ついかっこつけて流暢な感じを出そうと早口で話してしまいたくなる気持ちをグッとこらえて、ゆっくり話す方が相手に伝わりますし、また、相手もこちらに合わせて話すスピードを落としてくれたりします。

意思疎通を図ることが大事なので、それでいいのです。

TOEIC

あとは分かりやすい目安としてよく出てくるのがTOEICですが、これは上記の通りだいだい900点を超えているのが普通という感覚です。

『TOEICでは英語力は測れない、アテにならない、所詮はただのテスト』という声は巷に多くあふれており、得にこれ自体に反論はないですが、『所詮ただのテストで900点取れないようでは実践でどこまで通用するかちょっと怪しい』という感じですかね。

なので、900点を超えていない人は、まずはアレコレ言う前に900点超える勉強をゴリっと進めた方が良いかと思います。

私の体感としては、900点は実践ビジネス英語においては凄いことでも全くなく、スタートラインくらいな気がします。とはいえ、『新卒入社、転職して中途入社時点でそれだけのスコアがなければ諦めた方が良いか?』というと、そうとも思いません。会社に入ってからキャッチアップする、ということでも全然大丈夫かと思います。必要性に迫られないと人間なかなか本気になれないですしね。

リーディング・ライティング

ここまでの話にはリーディングとライティングは敢えて書いておりませんが、これらはあまり問題にならないかなと思っております。

特に最近はDeepLとかChat GPTとか翻訳ツールが発達しているので、テキストベースの英語のやりとりはサポート体制が十分に整っているかと思います

逆に、『英語でドキュメント作っていおいて』と依頼すると、『はい、DeepL使ってやりますね!』という謎の宣言をしてくる人も最近はいるほどですが、コレはどういう意味なんですかね 笑

別に言わなくても良いことだと思うのですが、『変な英語になっていても、DeepLのせいだ』と言いたいのかと勘ぐってしまいます。

ということで、私はそういう場合は『自分でも確かめてね!』と返すようにしています 笑

それくらい日常業務に翻訳ツールが入り込んで来たということですね。

さて少し脱線しましたが(すみません)、テキストベースでも難しさがあるとすれば、契約書で使われる契約英語です。

これはちょっと特殊というか契約書ではこう書く、というお決まりの表現パターンがいくつかあり、それをカラダに染み込ませていく作業は別途必要となります。

この記事では、本題からちょっと逸れるので今回は掘り下げずに置いておきたいと思います。

日本語でも日常使っている言葉と契約書で使われている表現は大きく違っていますよね。例えば家を借りた時の賃貸借契約書を見てみてください。これと同じことが英語でも起きます。

おわりに

いかがでしょうか?だいたいのイメージが湧きましたでしょうか?

ビジネスを英語で回すうえでの目指すべき到達レベルはこんなところかなと思います。

ここに到達するまでは、”仕事にならない”というレベルまでは行かないですが、苦労はあるかなと思います。

私自身は、帰国子女でもありませんし海外留学経験も無い”純ジャパ”の状態で商社に転職して入りましたので、英語は得意ではないです。

転職したてのときは正直上記のレベルにあったかと言うと微妙になところで、けっこう怪しかったと思います。

ただ、日々の業務と勉強の中で、だいたい到達はできたと思うので(たぶん(汗))、多くの日本人にとっても、海外留学とかまでしなくても英語に向き合えば到達可能なラインになっているのではないかと思います。

英語を使う仕事をするときのイメージ作りにお役に立てたなら幸いです!


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