商社マンの底力~トラブルがあるからこそValue発揮できる~

商社マン

どうもリトです🔦

なんか今年は雨多くないですかね?気のせい?
天気が良いとそれだけで気分が晴れるので、晴れの日が多くなると良いのですが。。

さて、本題に入っていきましょう。

総合商社で仕事をしていると、トラブルに直面することは珍しくありません。
むしろ、計画通りに進まないことが“当たり前”と言っても過言ではない環境です。

今回は、私が担当したある案件で発生した、”大型プロジェクトの引き渡し前日に第三者機関の品質証明書が未発行であることが判明した”という実例をご紹介します。

一歩間違えれば、プロジェクト遅延や信頼失墜につながりかねない場面でしたが、「何とかする力」を発揮して乗り切った事例です。

前夜祭の最中に不穏な連絡

ある海外の製造拠点でのこと。長期にわたって進めてきた大型製品が製造の佳境を乗り越え、ついに現地で引き渡し前夜のセレモニー(前夜祭)を幹部交えて行っていました

しかし、その最中に相手方の担当者から『ちょっといいですか?』と耳打ちが。不穏な空気です。

『第三者認証機関の品質証明書が、まだ発行されていません』

『え?』一瞬、耳を疑いました。

品質証明書は製品の正式な引き渡しに欠かせない書類です。

もし未発行であれば、翌朝の引き渡しが不可能な可能性があります。

プロジェクト操業のスケジュールにも多大な影響が出ることは避けられません。

すでに両社はお祭りムードのなか、担当者としてはその場から逃げ出したいくらいの状況です。
が、勿論逃げません。

どんなに最悪な状況でも、どんなに嫌でも立ち向かうしかないのです。。

一夜で判断し、合意を取り付ける

事態が判明したのが夜だったため、即座にセレモニーに参加している関係者を呼び集め、状況整理し、対応方針を検討しました。

  • 原因は、製造側の書類に不備があり、認証機関から差し戻しを受けたが、その後のプロセスが滞っていたこと。
  • 製品自体に致命的な問題はない。
  • ただし、正式な証明書が無い状態で製品を所有し操業することはリスクを伴う。
  • 仮証明書は発行済であり、仮証明書の有効期限内に限り、正式証明書に代えて仮証明書を利用し得る

最終的には、製造元と「いつまでに証明書を必ず取り付ける」を明記したサイドアグリーメント(契約)を締結。

万が一発行されなかった場合のペナルティ条項も盛り込み、翌朝の引き渡しは予定通り実行する方針としました。

当然ながら、契約書のドラフトも何も無い状態で、前日夜に事態が発覚したので、普通に徹夜での交渉・ドキュメンテーションです。また、何が起こっているか、東京の本社にも報告します。

夜中に両社で作り上げたドラフトを朝イチで両社がリーガルチェックし、修正コメントが入ったものを朝の打ち合わせで交渉し、纏める、という対応になります。

トラブルの中にこそ、商社の存在価値がある

この件で改めて実感したのは、トラブルが起きた時こそ、商社のバリューが問われるということです。

すべてが順調に進んでいるときは、商社がそこにいる意味が見えにくいかもしれません。

しかし、予期せぬ問題が発生したときにこそ、状況を俯瞰し、複数の関係者の意見を整理し、落としどころを提示し、それを形にして纏める力(何とかする力)が求められます。

言い換えれば、「トラブル=チャンス」でもあります。困難な局面に立ち向かい、関係者の信頼を勝ち得る。その積み重ねが、最終的には商社という存在の価値を形作っていくのだと思います。

おわりに

いかがでしたでしょうか?

「何とかする力」は、一夜にして身につくものではありません。現場での経験と、日々の積み重ねの中でしか育たないものです。そしてそれは、トラブルに直面した時こそ試される力でもあります。

今回はこれまでの記事と少し違った角度の話になりましたが、今後もこうした現場のリアルを通じて、総合商社という仕事の本質を伝えていければと思います!


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