動き出すものだけが権限を得る~今後問われるのはポジションを取る力~

商社マン

どうもリトです🔦

GW後半戦ですね。前半戦より天気が良くお出かけ日和が多いのが嬉しいですね。

さて、最近、読んだ『人生の経営戦略』(山口 周氏著)に、こんな一節がありました。

動き出さないから権限が与えられないと考えるべきだ

この一言、なぜかズシンと心に残りました。

総合商社というと、やりたいことを自由にやれるイメージを持たれるかもしれません。
でも、今の現場はむしろ真逆で、特に新規事業投資を行う部門では、“やりたくてもやれない状況”が当たり前になりつつあります

そういう環境の中でも、それでも前に進むためには、自分から動いてポジションを取ることが本当に大切なんだと、最近改めて感じています。

「商社で新規投資」と聞くと華やか。でも実態は…

「総合商社で新規事業投資を担当している」と言うと、なんとなくカッコよく聞こえます。

私自身、昔はそんなイメージを持っていました。

  • 海外で企業に投資して or 新しい事業を立ち上げて、
  • 投資先企業に経営陣とて出向して業績アップに取り組む

…みたいな(笑)。

でも、今の現場はそんなにスムーズにはいきません。

  • 株主から商社への期待値の高まり(詳しくは、株価が上がったら従業員は幸せ? 参照)
  • 地政学的リスクの高まり
  • 脱炭素・ESGといった新しい投資判断軸
  • ファンドとの競争
  • 社内外の合意形成にかかる時間と労力

こうした背景が重なり、「面白い案件を見つけた。収益性もそこそこ良さそうだから投資しよう」では通用しない時代になってきているのが正直なところです。

新規投資の“打席”自体が減り、動きづらさとフラストレーションを感じながら仕事している人も多いんじゃないでしょうか。

権限は「もらうもの」じゃなく「勝手に発生するもの」

そんな環境の中で結果を出すのは容易でもありません。

上長も含めて明確な指針を示せない環境だからこそ、やはり結果を出す人・出せる人は「動いてる人」です。

『間違っていても良い。まずは仮説を立てて、仮説検証に向けてアクションを取ってみる。反対意見があっても腐らずに対応継続する。』

こうしたポジションを取ってみる力、が今後さらに重要性を増してくると思います。
結局、動いた人がそのテーマの“仮オーナー”になるんです。

そうすると、だんだんと人づてに業界関係者を紹介して貰えたり、調査費程度の経費なら使って良いという上長のサポートが得られたり、と乗除に権限が貰えるようになってきます。

「自分にはまだその権限がないから」と思って動かないと、何も始まりません

総合商社の事業投資は過渡期

ここまでで触れてきた通り、総合商社の事業投資はこれまでのスタイルからの脱皮が求められています

新規事業投資をバンバンやりたい!というモチベーションで総合商社を志望する方は、現実とのギャップに少し悩むかもしれません。

もし仮にバリバリとM&Aを手掛けたい、ということであれば、投資銀行やPE ファンドを志す方が希望にフィットするかと思います。

『組織にとっては、経験も資源』これまた前出の『人生の経営戦略』に出てくるフレーズですが、その通りだと思います。

M&Aの経験を積む、という文脈においては総合商社は良い選択肢では無くなってきているかもしれません。

逆に、型が決まり切っていないなかで、どのような戦い方が総合商社という業態にフィットするか粘り強く考える、ということに面白みを感じる方は総合商社に向いているかと思います。

おわりに:変化が激しい時代こそ「先に動く人」が強い

今のように、正解が見えにくく、社内の意思決定も重たくなっている時代では、
「自分が動くしかない」という意識を持って、多少恥ずかしくてもポジションを取れるかどうかが、本当に大きな差になると思います。

若手でも、中堅でも、役職がなくても関係ない。

むしろ、「何も決まっていない」タイミングこそがチャンス。
誰よりも早くポジションを取りに行くことが、その後の主導権を握ることに繋がる。

そんな感覚を、日々の仕事の中で改めて強く感じています。

というわけで、今回は『人生の経営戦略』の一節をきっかけに、今の仕事を通じて感じていることを綴ってみました。

「なんか最近、手応えがないな…」と思っている方ほど、
ぜひ“仮でもいいから動いてみる”というスタンス、試してみてほしいです。

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